全国クルーズ活性化会議に当協会遠藤会長が講演、要望書を受領

全国クルーズ活性化会議(会長:久元喜造神戸市長)は、8月2日に日比谷コンベンションホールで第
12回総会を開催した。同総会では、2022年度活動報告、2023年度活動計画等を原案通り承認した。また、
同会議では久元会長挨拶、石井浩郎国土交通副大臣による来賓挨拶の他、当協会遠藤会長および日本国際
クルーズ協議会(JICC)堀川悟会長からの現状報告があり、同会議から国およびクルーズ船社への要
望が行われた。両会長および要望についての概要は以下の通り。

 ≪遠藤弘之 日本外航客船協会会長 挨拶≫
  日本船社の状況について、新型コロナでは大きな影響を受け、その結果日本クルーズ客船の「ぱし
 ふぃっく びいなす」が撤退となり、商船三井クルーズの「にっぽん丸」と郵船クルーズの「飛鳥Ⅱ」
 2隻となったが、今夏は、やっと集客も戻り「にっぽん丸」「飛鳥Ⅱ」は順調にクルーズをしている。
 そのような中、2社においては今後の事業を拡大していく計画をたてている。
  商船三井クルーズでは、来年度中には新規にクルーズ船を一隻投入・運航予定、以降に新造船の投
 入を予定。新造船の船体スペック、サービスともに現時点では未確定だが、いずれも3万トンクラス、
 全長は200メートル未満になる予定。したがって「にっぽん丸」と大きく変わらない船体サイズとなる
 ことから「にっぽん丸」にて企画選定してきた同様の条件にて、日本の比較的小さな港や離島、瀬戸内
 海の港を含めて、変わらず積極的に寄港計画していく方針なので、引き続きの協力をお願いしたい。
  郵船クルーズでは、既に発表している通りドイツにて新造船の建造を行う。大きさは「飛鳥Ⅱ」とほ
 ぼ同型を予定しており2年後の夏には新造船が日本の各港を訪れることになるので、その際は盛大な歓
 迎をいただきたい。
  今年は復活と将来に向けての飛躍の年としていきます。JOPAとしては4年ぶりにクルーズ・オブ・ザ
 ・イヤーを復活する。受賞対象はクルーズ商品だけではなく、クルーズ船が寄港する港の施設等の充実
 ・受入れ体制等、卓越したプログラムなどについて、選考委員が厳正な審査を行い、特別賞枠として表
 彰したい。皆様の応募をお待ちしている。
  将来的には日本船そして外国船の日本寄港も増えてくることから円滑な港湾オペレーションをお願い
 したい。

 ≪堀川悟 日本国際クルーズ協議会(JICC)≫
  新型コロナ5月8日から5類に移行に伴い、感染症対策ガイドラインの見直しを一部変更し、JICCでは
 廃止せず継続した形でクルーズ運航を実施している。3月からは34隻の外国クルーズ船により272
 本のクルーズが設定され、外国クルーズ船だけでコロナ禍前の6割強となる1260回の寄港が予定
 されている。特徴として欧米からのラグジュアリー・エクスペディションによる小型クルーズ船の寄
 港が増え、大型船では寄港できない瀬戸内海や南西諸島などへの寄港が増加している。6月から中国
 発着の日本向けクルーズ船のトライアル事業が再開した。はやければ秋から中国からの大型クルーズ
 船の再開が見込まれる。外航クルーズ船社としては安心してお楽しみいただける環境づくりを進める
 とともに、本年からは寄港地経済への貢献も意識した上質な寄港地観光の造成について、寄港地の皆
 様と連携して強力に進めていく。
  プリンセスクルーズでは本物の体験が出来る特別感のある上質な寄港地ツアー造成、「ローカル・
 コネクション」プログラムを実施している。こうした寄港地と連携した取り組みは日本のクルーズ再
 開スタートとなる本年から強化して進める所存である。

 ≪全国クルーズ活性化会議による国に対する要望≫
  ①円滑なクルーズ旅客受入のためのCIQ体制の強化
  ②地域経済への波及効果の増大に向けた支援
  ③クルーズ関連港湾施設と受入設備の充実に対する戦略的・重点的な予算の確保と整備の推進
  ④国内外へのクルーズプロモーションに対する支援
  ⑤船舶航行安全対策に対する支援

 ≪全国クルーズ活性化会議によるクルーズ船社に対する要望≫
  ①地域経済効果の最大化に向けた寄港地観光の質の向上
  ②寄港地の多様化
  ③適切な予約申請
  ④受入施設の利用に関する理解
  ⑤船社から地元自治体に対する情報提供
  ⑥船内での地元観光情報の提供機会などの確保
  ⑦安全・安心の確保に向けた対策